Origin of activities

活動の原点

ここでは、「私たちが、ラクシュミ」を運営するに至った経緯を紹介します。私たちの活動の原点を知っていただけると、嬉しいです。

ずっと体調が悪かった幼少期、偶然に正統ヨガに出会う

私は、子供の頃から体が弱い体質でした。

同年代の友達が楽にできていることもできず、いつも自分の「体のしんどさ」に足を引っ張られているように感じていました。

私が18歳の頃、ヨガが流行っていました。そんな時、友達が電話で

「なんでも、ヨガをすると、笑顔がきれいになるらしい!」
「一緒に見学してみない?」

と誘われました。

当時の私は、ずっと体がしんどく、笑顔とは縁遠い状態でした。だからこそ、「自分の笑顔を見てみたい!」と思いました。

そして、電話ボックスに飛び込み、「ヨガが体験できる場所」を電話帳から探しました。一番近いヨガ教室は、

「インド正統ヨガ」

と書かれていました。

ヨガは団体で行うものだと思っていたのに、そこは「個人指導のみ」でした。自分の体調に合わせて、周りを気にせず、指導してもらえるかもしれない!と予感し、見学することに決めました。

今思えば、これが「医療としてのヨガ(ヨガドクターによるヨガ)」との出会いでした。

毎日のように、ヨガに通う

一緒に見学に行った友達はピンと来ませんでした。おそらく、一般的に知られている「ヨガ」のイメージとは違ったからだと思います。

一方、私は「直感的に」、ここでヨガを体験してみたい!と思いました。

のちに知ったのですが、そのヨガの先生は、私の体調をとても心配していました。

その先生は、出会った当時、既にご高齢でした。残念なことに、一年後に亡くなってしまいました。その際、他のヨガの指導者に

「あの子に、しっかりとヨガを教えて健康を取り戻してあげないと、長生きできない」
「他のところ(単なる体操のヨガ)にやってはいけない」

と言い残してくださっていたようです。

私は、毎日のように通い続けました。

治療を目的としたヨガとは?

そのヨガ教室では、生徒一人ひとりに対して「ヒヤリング」を行いつつ、現在の状態を細かくノートに記録し続けていました。つまり、経過観察をしながら、一人ひとりの体の状態、目的、願いなどに沿って、行うべきヨガのポーズ、呼吸法を処方するものでした。

私には、私にあった「ポーズ + 呼吸法」を提案され、それを実践しました。しばらく続けると、体の状態が変わってくるので、それに合わせて、別のものを提案され、実践しました。

体がしんどくて、動けないことによって肥満気味だった体も、一年経つころには、10kgも、自然に減量することになりました。

初めは、半信半疑でした

最初は、簡単なポーズばかりで、「こんなので効くのだろうか?」と思っていました。のちに知ったのですが、「ポーズ」だけでなく、そのポーズを「維持する時間」も重要でした。

一人ひとりに、「ポーズ + 時間」を設定し、その人の今の状態を改善するための処方を提供してもらっていました。

例えば、便が出ずらい場合、普通の人はあるポーズを3分間のところ、5分間しっかり行うなどです。

このように、体調、改善ポイントに合わせた「処方箋のような、個別プログラム」を実践し続けた結果、特に食事を変えていないのに、10kgの減量と、体力がついてきました。

その後、食事の改善を提案してもらいました。

私は「白米を食べると体調が崩れる」ので、お米は食べないようにしていました。しかし、その先生は「私が炊いてきた玄米を食べてごらん。食べられるようなら、炊き方を教えるから試してみて」と提案してくださいました。

そして、試してみると「食べられる」上にとても美味しく、続けるうちに体調が良くなっていきました。

インドにて、「ヨガドクター」に出会う

25歳になった時、先生のお誘いでインドにヨガの勉強に行きました。そこで、私のその後の人生を決めることになる「ヨガドクター」に対面しました。

驚いたことに、 大都会の大きなビルのワンフロアを借り切って、ヨガ教室を開いて いました。しかも、そのフロアのレンタル料は、無料です。

なんでも、ビルのオーナーが余命3ヶ月と医者に宣告され、途方にくれているところ、このヨガドクターの教えのもと、ヨガに取り組みつつ、食事療法も行い元気に回復したことがきっかけでした。

その後、ビルのオーナーは、「他にも多くの人を助けてほしい」と、ビルのワンフロアを無償で貸し出してくれ、そこで医療としてのヨガを提供していました。

そのヨガドクターのもとで、私は「今に至る陰陽を応用したヨガ」の基礎を学びました。

内臓の音で、健康か不健康か診断できる

最初に驚いたのは「聴診器」で、内臓の音を聞くことでした。

まず、ヨガドクターに促されて、「自分の内臓の音」を聞きました。すると、 「ざわざわ、ガチャガチャ」と不気味 に感じる音がしていました。一方、先生の内臓を聴かせてもらうと 「サラサラと血が流れるような、爽やかに感じる音」 でした。

自分の音と、先生の音のギャップに驚き、「どうすれば、良くなるのか?」を知りたいと、強く願うようになりました。

その後、現地の水、慣れない食事、住環境、人の多さ、スパイスの匂いなどが相まって、体調を大きく崩してしまいました。また、現地にはインド最大のスラム街があり、そこで、さまざまな病気で体が欠損していたり、不自由な人々に出会い、カルチャーショックを受けました。

体調を治すために、3日間の断食を体験しました。その断食を通じて、体の中に溜まっていた悪いもの(いわゆる宿便と言われるもの)が、ごっそり出ました。

その後、不思議なぐらい体が軽くなり、別人になった気分でした。回復する中で、ヨガドクターから「日本で玄米が食べられるなら、玄米を食べるように」勧めていただきました。

日本に帰国後、玄米の先生を探し、「酵素玄米」というものを教えてもらい、それを食してみたところ、とても体に合い、玄米食を続けることにしました。

今でも、ずっと玄米食を続けています。また、教室でも、生徒さんに合わせて紹介しています。

帰国後、派遣社員から、導かれて「ヨガ」教室を開く

インドから帰国した私は、とりあえず仕事をするために「派遣会社(パソナ)」に登録しました。仕事内容は、前職での「図面を書く関連」を希望したので、ヨガとは全く関係がありませんでした。

パソナとは、面白い会社で、「派遣社員として働く理由や、希望の時間帯」などを事前に伝えます。私の場合、「何曜日の何時からは、ヨガレッスンで仕事ができません」と伝えていました。

世の中は、不思議な縁で回っているものです。

ある「フィットネス&カルチャー教室」が開業する際に、ヨガの先生を探していたそうです。その方が、たまたまパソナの方に連絡してきて、そこから私につながりました。

思いもよらないところから、「ヨガを教えること」につながり、とにかく、スタートさせることにしました。

縁がつながり、無難なヨガから、本格的なヨガへ

ご縁をいただいたフィットネスクラブでヨガを教えはじめました。

本来ヨガは、一人一人の体調に合わせて個別指導(ポーズ、呼吸法、継続時間などを調整する)が基本 です。

しかし、フィットネスクラブの仕組み上、全員で一度に受講します。結果として、なるべく、無理のない、無難なものを提供することにしました。

ところが、3年ほど経った時、このフィットネスクラブが倒産することになりました。

ありがたいことに、受講していた生徒さんが「ヨガを続けたい」とオファーをしてくれました。その生徒さんを中心に、友人を集めてくださり、ヨガ教室を始めることになりました。

せっかくなら、フィットネスクラブのもとではできなかった「本物のヨガ」をやっていこう!と決意しました。

振り返れば、偶然の連続で「ヨガドクターによる医療としてのヨガ」を知り、「インドで本格的な医療としてのヨガを直接体験」し、その後、フィットネスのヨガで「いや、これはちょっと違うぞ」と思っているところに、「私が大切にしたいヨガができる状況」につながったのは、不思議です。

グループ・レッスンでも、近い効果を出せるような工夫を始める

本来のヨガは「マンツーマン」「個別指導」です。

一人一人の体調や、目指すところに合わせて、

  • ポーズ
  • 呼吸法
  • 継続時間
  • 繰り返す回数

などを、処方箋のように決定します。取り組んでいるうちに、徐々に体調が変わってきます。それに合わせて、再度、処方箋としてのプログラムを組み直していきます。

フィットネスとして、グループで行うヨガは、「ラジオ体操」のようなものかもしれません。これは、毎日、軽く運動をすることで、血行を良くする効果が期待できると思います。もちろん、フィットネスとしてのヨガでも、健康維持には役立ちます。

しかし、ヨガの世界はもっと奥深く、可能性が広がっています。

体を動かして血行を良くするラジオ体操ではなく、血流を一時的に閉じたのち開く ことを、ポーズによって行い、体の回復能力、代謝能力を高めることで、インドで実践されてきた医療としてのヨガの世界があります。

現代は、西洋医療が発達し、さまざまな怪我、病気を効果的に治すことができます。しかし、病院は「病気になってから」いく場所です。

健康を維持し、さらに向上させて、何歳でも元気に、やりたいことにチャレンジするためには、日々の過ごし方が大切です。

病気になるような食生活、運動習慣、生活習慣(呼吸も)で、病気になって病院に行くを繰り返すのではく、

毎日、良い刺激を与え続けることで、元気になっていくアプローチ

も必要です。

このような考え方を、少しでも広げていきたいと思い、グループレッスンを改良し始めました。

事前に生徒さんに、現在の健康状態、気になっていることをヒヤリングしておきます。その上で、グループレッスンの中で、人によってポーズの難易度を変えるように指示したり、違うポーズを用意したり、ホールドの長さを調整するように指示をするようにしました。

個別レッスンには及びませんが、グループでも「ヨガドクター」にしてもらったことを、私も提供できるようになるように工夫をしていきました。

難しいポーズができるようにならなくても、健康になれる

その後、世間に「ヨガ・ブーム」がやってきました。キラキラ女子のためのヨガや、セレブのためのヨガのようなものまで生まれました。最近では、使いやすい「ヨガマットやブロック」まで販売されています。

しかし、私が体験したインドのヨガには、ヨガマットなどありませんでした。ゴザや、寒いからひく毛布ぐらいです。

また、ヨガのイメージは「柔軟な体を作って、すごいポーズをとれるようになること」と思われ始めました。

一方で、本格的なヨガは 「もっと簡単なポーズでも、十分な効果が得られる」 ものです。ポーズの難易度が重要なのではなく、

  • 健康になるために、刺激するべき場所を見極める
  • その場所を的確に刺激できるポーズを決める(血流を止め、開くことが目的)
  • ポーズの継続時間(健康状態に合わせて、長短を決める)

が、重要です。

陰陽五行説を使って、発展させる

インド伝統ヨガは「閉じて、開く」ことが基本です。ポーズを取ることで、血流の流れを止め、それにより細胞の飢餓状態を作ります。そして、ポーズを解くことで、一気に血流が流れ始め、新鮮な細胞を生み出すことを促します。

もしかしたら、古代からの知恵で、現代でいう「オートファジー」のようなものを実現する仕組みです。

ヨガ教室や、希望される方に「個別レッスン」をする中で、もっと効果を出せないか?と考え、

  • 中医学(漢方の元にもなっている、中国大陸の伝統医療)
  • 陰陽五行説(易から発展した思想、考え方)
  • 養生(黄帝内経 -コウテイダイケイ-)

をベースにして、ヨガのさまざまな取り組みを整理することにしました。これが、現在メインで提供している「陰ヨガ」です。

陰ヨガは、最も関節に近い深層筋を開く事が目的です。

やがて季節の変化によって負担がかかる(活躍する)五臓六腑を経絡から癒やしていく効果が期待できます。

季節によって負担がかかる経絡が変わっていくので、その経絡をサポートするように、ヨガを活用していきます。

例えば、春は「デトックス」の季節です。肝/胆嚢経が活躍することで、ここに負担がかかります。この部分をサポートする(血流をめぐらせたりして、刺激する)ポーズを行なっていきます。

すると、デトックスをより促すことができ、肝臓の負担が軽減し、体調を良くしていくことができます。

夏になれば、また別の場所が負担がかかるため、そこをサポートするようなプログラムを組んでいきます。

このような取り組みは、非常に喜ばれて「自分も、もっと深く学びたい」と要望もいただくようになりました。

これらの要望に応えるべく「陰ヨガ・スペシャル」として

  • 陰陽五行説を学びながら、日々の養生ポイントを学べる
  • 自分に必要なヨガの流れ(シークエンス)が組めるようになる

ワークショップを定期的に開いています。

オンラインにも、チャレンジしました

人生はわからないものです。

直接、対面でお伝えしてきたヨガですが、コロナ禍によって、それができなくなりました。それを機に、ヨガに「陰陽五行説」「中医学」などを導入したように、

  • デジタル・テクノロジー

も、導入することにしました。

見よう見まねで、zoom(ズーム)ミーティングを使い始め、今では「オンラインレッスン」もできるようになりました。

オンラインレッスンは、無理なく継続的に関わるのにぴったりで、大変喜んでもらっています。

これからの目標は、先生を育てること(TTをする)

私たちが、行なってきた「陰ヨガ」や「丹田呼吸法」や「ヒーリング」を、もっと多くの人に届けたいと希望してくれる方々が増えてきました。

現在は、TT(ティーチャー・トレーニング)を開催できるように、知識体系、技術体系、考え方を整理しているところです。

また、TTを受講した方々で、継続的に「人の体」や「処方」だけでなく、精神面や、人の人生に関わっていく姿勢についても、学んでいける仕組みを考えているところです。

もし、興味がある方は、まずは「ご自身が体験すること」から始めてみてください。

私たちのミッション

私が、医療としてのヨガに出会った頃は、ヨガがこんなに「ブーム」になるとは思いもしませんでした。多くの人が「ヨガ」を知るようになったことは、良いことだと思います。

一方で、「ヨガ = 難しいポーズ」と勘違いし、敬遠している人もいます。また、気軽にヨガの先生になれる環境があることで、無理なポーズをして体を壊した人も、多くいることを知っています。

ヨガは難しいポーズをすることがゴールではありません。

簡単なポーズでも、適切な場所を刺激することができれば、十分に効果があります。むしろ、すぐに始められて、継続しやすいのが「ヨガ」の良さです。10分後には、心地よさを感じられるぐらい、手軽で、気軽に始めることができます。

身近な「自分自身で養生できる」ヨガを多くの人に知って、取り入れてもらうことを通じて、

何歳になっても、チャレンジしたいことを自由にチャレンジできる体と心の健康を維持する「一生モノの知識、スキル、習慣」を持つことを支援する + これを実現できる仲間を増やす

を実現していきたいと思っています。