古代インドのヨガの中では大きく分けて四通りの道があると伝えられてきました。
結果として全ての道を体験することになりますが、その方の好みというか傾向があるので、最もその方らしくスムーズに進めるようにリシ(聖仙)の体験から四通りの道を提案されたのかもしれません。
簡単にご紹介しますと、
まず初めはラージャヨガです。王者のヨガという意味のようで、静かに座り深い瞑想の中でサマディ(悟り)を目指す道です。
次はジュニャーナヨガです。智慧の道という意味で、書物やお経、学問を通して深い叡智を授かりサマディ(悟り)を実現する道です。
この二つの道は男性的で知性の道だと言われています。
次はカルマヨガです。行為のヨガと呼ばれ、すべての行為を神に捧げることに集中し、悪いカルマ(ドッシュカルマ)を良いカルマ(サットカルマ)に転換する恩寵を受け取るという道です。
最後はバクティヨガです。祈りの道と呼ばれ、マントラチャンティング(聖音を唱える)やアルティ(火の儀式)などを通して、ただひたすら神に祈りその名を呼び神に没頭していく道です。この道が最も悟りやすいと聞いた事があります。
この二つの道はより女性的で愛と献身の道と言われています。
ヨガはポーズ(アーサナ)や呼吸法(プラナヤマ)瞑想(ディヤーナ)だけではなく、根底にこの四通りの道があるわけです。
先日、ラクシュミヨガスタジオにて本格的なバクティヨガを体験していただける機会として念仏会を開催いたしました。
長野県の標高700mのお寺から永年念仏修行を続けて来られたご住職様をお招きして、安政の頃の大変徳の高い念仏聖者山崎弁栄様が伝えられた念仏をわかりやすくお伝えいただきました。
念仏は浄土宗のお経「南無阿弥陀仏」をお唱えするというものですがヨガで目指すバクティヨガそのものであり、ただひたすら仏教の最高神である「阿弥陀如来様」を心に思い、弁栄聖者の描かれた阿弥陀様をひたすらお見つめして念仏に没頭するというものです。
午前中に1時間半ひたすら阿弥陀様を憶念し「南無阿弥陀仏」を唱え続けます。午後からも1時間ひたすら念仏し、その後ご回向していただきました。(ご回向については前回のブログ参照)皆さんとても感動されたようで涙ぐまれている方も沢山おられたようでした。
念仏は法事のみで唱えるものと思っている方がほとんどだと思います。しかし日常的に唱え続けすべての行為を捧げる生き方(バクティヨガ)が、ヨガの最終目的のサマディ(悟り)への一番の近道だということになります。
その土台になるのがポーズ(アーサナ)や呼吸法(プラナヤマ)なので毎日のプラクティスが推奨されているのです。
ヨガはその方の望む内なる神に出会うための最高の方法と言えるのかもしれません。