インドにディクシャの勉強にいっていた頃のお話です。
毎年コースに参加していくうちに自分の心の内側に変化を感じ始めました。
一つ一つのお話や教えが妙に納得できるのです。真実味があるのです。しかも必ずその学びを肚(はら)に落とすような出来事が後で必ず起こるのです。
誰かが自分を導いてくれていることに何の疑いもなくなってきた頃のお話です。
今回もしっかり集中してコースを受けようと意識していたので、誰とも話さず(モウナ)沈黙の業を守っていました。
朝は早くから起き出し熱いシャワーを浴びて瞑想ルームでヨガや呼吸法や瞑想をして、夜はオレンジを少し食べるだけで食べ過ぎに注意していました。お腹が軽いと頭がクリアになるのでいつも気をつけていました。
ある日の早朝、いつものようにシャワーを浴びようとシャワールームに入ったところ内側で声が聞こえてきたのです。
『こんなことして何になるのか?』『こんなところ来るんではなかった』『来年は絶対来ないから』と言い続けるのです。
とても驚きました。だって私はコースをとても楽しんでいて、後悔なんて微塵もしていないのですから。明らかに私の考えではないのです。
その時気づきました。これがマインドなんだと。
コースの中でダーサジ(お弟子さん)は何度も『あなたの考えはあなたの考えではありません。考えは人類共通のものであり、それは自動的にやってくるものです。それは個人のものではないのです。だから冷静にやってくる考えを取り扱えるようになれば考えに振り回されることはなくなるのです。それが悟りの第一歩なのです。』
すぐにはピンと来なかったこの教えがようやく理解できたのです。体験として肚に落ちたのです。
翌日担当のダーサジとの面談があったのでこの体験を話したところ、『その通りです。あなたはとても良い体験をしましたね。』と喜んでくれました。
それから本当の意味で人生が変わったような気がしました。
マインドが自分のものでないとしたら私たちは何も悩む必要がなく、常にマインドを選び続けることができるということなんですから。
今まで頭の中でずっと話している自分の声(マインド)に苦しんできました。でもそれは真実ではなかったということであれば誰も苦しむ必要はないということになります。
この体験を誰に話してもどうしてもわかってもらえません。やはり体験するしかないのかと思いSKコースを作ったのです。
この体験は日本に帰ってからも度々起こることになります。